スプレダムS-1

スプレダム

高機能性ポリマーセメント系防水材を用いた橋梁床版防水工法

スプレダムS-1工法は生体や環境に優しい水性材料です。またコンクリート下地との追従性、コンクリートとアスファルトの付着に優れており、同時に透湿性があるので下地の湿気を逃がすことができ、耐久性にも優れています。

環境に配慮したセメント親和性の高いエマルジョン重合技術

EVA 樹脂( エチレン酢酸ビニル) とPVA( ポリビニルアルコール) を高グラフト重合させた耐水性・耐候性のある防水材です。特に高グラフト重合による三次元構造が形成されることによって、樹脂の芯から乾燥・造膜し、クラックを起こしにくくなります。また、引張強度・曲げ強度・接着強度に優れています。

セメント化学を理解し応用した配合技術

ポルトランドセメントの水和反応により生成する水酸化カルシウムとスプレダムＳ-1 混和材中の(SiO2) によるポゾラン反応により、長期にわたり強度が増進します。ポゾラン反応による発熱は、ポルトランドセメントの水和発熱量に比べて小さいため、安定的な化合物を生成します。また、緻密な組織を形成するため、水密性や化学抵抗性が向上し、乾燥収縮が小さくなります。微粒子が球状であり、ボールベアリング作用により、防水材の流動性が改善され、密実な防水層が形成されます。

工法のポイント

1材料的特徴	2施工性	3耐久性
セメント系材料による透湿性塗膜のため、ブリスタリングが発生しにくくなります。また、防水層は衝撃に強く、アスファルトフィニッシャーなどの通行による防水層の剥離やよれ、破断が起こりません。また、化学的安定性、耐薬品性に優れており、融雪剤などの塩分が床板に浸透しません。	ローラー・刷毛・鏝のほか、吹付による作業を選択することができます。また、塗膜硬化時間は、夏季で1 時間、冬季で3～6時間程度なので、作業性が向上します。また、下地の含水率が高い状況でも施工が可能なため、工期に影響を与えません。	塗膜が有機質と無機質との結合体であるため、熱や寒さによる影響が少なく、温度変化抵抗性があります。また、適度な伸び弾性および引張強度があるため、床版・アスファルト舗装の挙動に一体的に追従します。そのため、荷重負荷によるアスファルト舗装や防水層の損傷・欠陥が起こりにくくなります。

使用方法について

S-1プライマー、スプレダムS-1主剤、スプレダムS-1混和剤の三種の材料を使い施工していきます。

材料詳細

S-1プライマー

スプレダムS-1の施工の際に付着の力を強化するために用います。
使用の際は原液を希釈せずにそのまま塗布して下さい。
スプレダムS-1 （主剤 + 混和剤）

スプレダムS-1 主剤とスプレダムS-1 混和材を3：2 の割合で配合してください。ダマがなくなるまでよく攪拌してください（約5 分）。
塗布道具は金鏝、ローラー、刷毛、吹付機械等を使用します。1 層目の防水材硬化後（夏場約1 時間冬場約3 ～ 6 時間）に2 層目を塗布します。

1m²あたりの行程と使用量

行程	使用料 / m²	目的
① S-1プライマー	0.3kg /m²	付着強化
② スプレダムS-1	1.2kg /m²	防水層
③ スプレダムS-1	1.2kg /m²	防水層
合計使用量	2.7kg /m²	防水層完成

材料物性

S-1プライマー

主成分	アクリル酸エステル・スチレン共重合樹脂
外観	乳白色エマルジョン
固形分	30±1％
粘土	300±100CPS（ BH型・10rpm・30℃）
pH	9±1
荷姿・容量	18kg／缶