アイゾールテクニカ

COLUMN

高分子系浸透性防水材によるRC建築物の外壁改修工事

2014.02.01

はじめに

塗布含浸材は、従来のライニング工法のような厚膜系被覆材に比べ、施工しやすくコスト低減も図れることから、補修工法として近年広く認知されるようになり、採用実績が増加してきている。このような中で、当社の高分子系浸透性防水材は、土木構造物におけるコンクリート劣化対策・補修工法として幅広く採用されている。
本稿では、RC造建築物の改修工事で採用された事例について報告する。

工事概要

工事名称 まどか幼稚園改修工事
所在地 東京都葛飾区
用途 外壁改修工事
施主 まどか幼稚園
工期 2005年7月
施工面積 外壁800㎡
構造 RC造(コンクリート打放し仕上げ)
使用材料 高分子系浸透性防水材「アイゾールEX」

材料選定の経緯

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当該建築物は、1993年築で今回の改修工事の時点で築後12年を経過していた。外観はコンクリート打放しであり、新築時にコンクリート表面の保護と防汚目的のため撥水系含浸材が塗布されていた。しかし、築後2~3年の早い時期から外壁面に汚れが付着するとともに、中性化などの影響によりコンクリートの一部が剥落していた(写真-1)。

コンクリート打放し建築物においては、表面の意匠性・美観が重要なポイントであり、施設を使用する関係者の心理的印象に大きな影響を与える。今回の改修工事では、長期にわたって防汚性を維持することができ、コンクリートを保護できる材料が求められた。そこで、長期耐久性および防汚性を有する同材が候補に上がり、性能・施工性・コストなどにおいて他の材料と比較検討された結果、採用に至った。

材料の特長

同材は、アクリル酸エステル樹脂、フッ素樹脂等の表面被覆成分、コロイダルシリカ、変性ポリシロキサンなどの改質・撥水(浸透性吸水防止)成分をブレンドしている。浸透性塗膜(塗膜が剥がれにくく、塗膜再劣化の恐れが少ない)による外的劣化抑制・防水効果と、撥水・コンクリート表面浸透改質成分による吸水防止効果を持つ“ハイブリッド型1成分形水性防水材”である。(国土交通省NETIS:CB030003-V 平成24年度準推奨技術)。
同材を塗布することで、コンクリート土木構造物・建築物における、中性化や塩害などによる劣化、コンクリート表面の汚染を抑制することができる。

施工工程

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当該工事は、幼稚園の夏休み期間(7月~8月)に実施した。今回は、ローラーや刷毛で同材を塗布した。塗布量は0.25kg/㎡である(図-1)。

夏季で気温が高かったため、1回目塗布後の乾燥時間が30分程度で済んだ。(通常、気温5~30℃の場合1~4時間程度)そのため、塗布作業(2回塗り)を1日で終了させることができ、工程短縮につながった。また、無溶剤の材料のため、近隣住宅地から臭気に対するクレームが発生しなかった。

まとめ

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塗布含浸材における最近の知見では、コンクリートの密実性や塗布前の躯体経年程度、あるいは環境条件などによって浸透・改質効果が異なるとの指摘がある。しかし、同材は含浸成分に透湿性を有した被覆成分を加えているため、さまざまな条件下にある構造物に対して安定した表面保護効果を得ることができる。

昨年、モニタリング調査のため同物件の8年後の状況を確認したところ、要求性能とされた防汚性が施工当時と変わることなく維持されていた(写真-2)。

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また、塗膜のチョーキングも発生しておらず、耐久性・劣化抑制性能についても問題ないといえる(写真-3)。

今後も「長持ちするコンクリート」を次世代に残していくために、時代の要請に応じた高機能・高性能の製品開発を行っていく。