アイゾールテクニカ

COLUMN

超高層マンション共用施設内温泉浴場防水工事

2003.07.01

兵庫県尼崎市のルネセントラルタワー新築工事において、マンション共用施設内温泉浴場の防水工事を施工しました。

工事概要

200307-01

工事名称 ルネセントラルタワー新築工事
所在地 兵庫県尼崎市
用途 マンション共用施設内温泉浴場
施主 ㈱総合地所
設計管理者名 飛島・東海・大舞共同企業体
工期 2003年2月~5月
施工面積 浴場他1,136㎡
構造 SRC造

施工詳細および使用材料

施工仕様・工法・仕様材料を以下に示す。

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使用材料は変性エチレン酢酸ビニル樹脂系のスーパースプレダム防水材(主剤)とセメント系樹脂造膜材を含むシリカ系粉体のSP混和材(硬化材)を3:2で攪拌して得られる防水液を使用する。また今回使用されたD工法は特殊ビニロン不織布とガラス糸を複合させたISクロス(補強材)を使用して防水層の強化を行っている。

工法選定の経緯

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マンション共用施設内温泉浴場防水工事を行うにあたっての防水材の選定基準は、機密性の高い屋内で行うため環境対応型防水材で有機溶剤を用いず火気等も使用しないもが条件であった。また機能性の面では上のモルタルとの付着に優れるものが条件であった。(写真-2解説:浴槽立上り部位をカッターで切取った断面写真 壁面にもラス貼りなしで付着が良好)
そういった中からポリマーセメント系塗膜防水材が候補に上がり性能・耐久性・施工性などで比較検討され評価を得てこの工法が採用に至った。

工事の特長・留意事

浴場の防水工事においては特に設備工事との取合いが多くパイプ廻り排水廻り等の下地を調整する必要がある。防水工事に取り掛かる前に設備工事業者、左官工事業者と現場にて打合わせを行い取付け位置や不陸部、欠損箇所を確認しモルタル等で調整・修正し防水下地を作成した。この時の下地の具合が不十分であると防水層や仕上げに大きく影響を及ぼすため十分な確認が必要である。防水工事においては清掃後プライマー処理、防水材塗布と各工程を踏んでいった(上記工法図-2参照)。
留意事項として防水材作成時において主剤と硬化材の攪拌時間によって防水材の性能の優劣を決定付けるため少なくともダマがなくなるまで5分以上十分に攪拌をすることが重要である。また均一な防水層を確保するためクロスを貼り付ける際、しわにならないように注意しながら材料を一箇所に溜めず厚みを確保して塗布していくことが重要である。(写真-3)

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まとめ

一般にポリマーセメント系塗膜防水材の知見は耐久性に劣るというイメージがあり簡易防水という概念が強く持たれており仕様部位も非常に限られたものであった。しかしこの工法をもってすると今までの既成概念を払拭するだけの基本性能を持ち合わせている。環境対応型防水材に対する期待が強くなってきている昨今この防水工法はメリットが多く、様々な場所で使用される可能性があるものと考える。今後は建築物の用途多様化や設計が複雑化してくることにより防水を必要とする箇所が多くなってくる。
またこの工法は建築物を構成するコンクリートやモルタル、タイル等と非常に相性が良く付着性に優れるため防水を必要とする箇所には条件さえ守ればどこにでも使用可能である。そのため設計時における防水工程前の下地の作成方法などを設計者にきめ細かく仕様提案していくことが急務であると考えている。

(アイゾール産業株式会社 中村有里)